アメリカ・黒人種経営店専門のフードデリバリー【Black and Mobile】
自宅でのリモートワークなどお家時間が増えたことで、フードデリバリーの需要が高まっている現在。
そんな中、ペンシルヴェニア州フィラデルフィアを拠点に、黒人種経営店を専門とした初のフードデリバリー『Black and Mobile』(Black and Mobile: The Culture Delivered – Black & Mobile)が話題になっています。
※こちらでは、南米出身・アメリカ出身者などのクレイムを考え、アフリカ系アメリカ人とせずに敢えて黒人種と表記します。
David Cabello氏を代表とするBlack and Mobileは、2019年の2月、ブラックヒストリーマンス中にサービスが開始されました。
Our Story – Black & Mobile (blackandmobile.com)
始めてすぐはなかなか大変な走り出しだったようですが、その後ビジネスは一気に好転、現在に至っています。
今回は、そんなBlack and Mobileについてご紹介します。
ジョージ・フロイド事件からUberEats等が黒人種経営の配送手数料無料に
パンデミックにより、アメリカでは多くの飲食店がダメージを受けました。
中でも黒人種経営店・企業の倒産数は、白人種経営店・企業の倍以上だとか。
そして、2020年5月のジョージ・フロイド事件(Murder of George Floyd – Wikipedia)をきっかけに、UberEatsやDoorDashなどフードデリバリー会社は、提携している黒人種経営店の配送手数料を2020年は無料にすると発表しました。
フードデリバリー会社によれば、このシステムを導入後から、黒人種経営店のオーダーが急激な増加傾向にあったとのこと。
ですが一部の人たちから、かえって「差別的である」との批判を受け、ネガティヴな報道がされてもいました。
アメリカは、寄付やボランティアなどで弱者をサポートする傾向が強くあるもの。
とはいえ、実際のデータに基づいていようと、人種的なサポートについては難色を示す人が多くいる気がします。
ちなみに私も昨年、この件でソーシャルミディアをチェックしていました。
「平等を基本にすべき」、「人種ではなく、Good Peopleへのサポートを」といった声も多く、広がるバトルに改めて考えさせられました。
『Black and Mobile』の取り組みとコミュニティへのサポート
Black and Mobileの経営者であるCabello氏は、大学を中退後にフードデリバリーの仕事に就いたそうです。
その時に、提携している黒人種経営店が少ないと感じたことから、黒人種経営店を専門に提携するデリバリー会社を思いついたとか。
そのため、Cabello氏は双子のきょうだいと共に足とネットワークで黒人種の経営店を探し、ビジネスのベースを築き上げました。
2020年は特に、パンデミックにより政府が店内での食事を自粛させたことから、Black and Mobileに助けを求める、配達準備ができていないお店が増えました。
業績は伸び、2020年は最初の2ヶ月以内で前年の売上以上となり、2021年現在は、年末までに記録更新となるようです。
また、Black and MobileがUberEatsなど他のブランドよりもリーズナブルな提携・提供がベースにあり、店舗や消費者の経済的な助けにもなっているとのこと。
さらに、業績だけではなく、失業者が多い地域にて仕事・収入の提供を行うなど、コミュニティのサポートも重視しています。
提携店によれば、質問などに対してもCabello氏が直接対応してくれるといった、他ブランドとは違う手厚さも高く評価しているようです。
将来的には、ロサンジェルスやヒューストン、ワシントンDCやNYCなどへの事業拡大もプランにあるそうですから、期待したいですね。
Black and Mobileが提供するオリジナル性とは?
Black and Mobileは手数料を20%とする他、アプリでのオーダー方法に、レストランリストからではなく、カルチャー別としてのオリジナル性を持たせています。
ハラールやアメリカン、ピッツァ、ソウルフード、ジャマイカンなど、カルチャー別のメニューオプションを掲げているのです。
食べたいものが決まっている人には、スピーディなオーダーが可能といえますね。
2021年12月現在で、Black and Mobileのサイトには、「新しいオーダーサイト/ウェブサイトを予定中」となっているので、ますますオーダーがしやすくなる、カルチャーが増えるのではないでしょうか。
地域にお住まいの方たちには楽しみですね。
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