アメリカの風習がかわいい!春の知らせを占う【グラウンドホッグ・デイ】
アメリカやカナダで毎年2月に行われている『Groundhog Day』は、ちょっと変わった独特な風習としてアメリカでは有名です。
過去には日本でも、映画により知られたことはあったかも?
今回は、そんなグラウンドホッグ・デイについてご紹介します。
アメリカに生息するグラウンドホッグとは?プレーリードッグと同じ?
グラウンドホッグは、リス科マーモットに属す動物であり、北米・カナダに多く分布しています。
見た目が似ていることから、プレーリードッグと間違われることがよくあるようですが、ともにリス科とはいえ全く別。
グラウンドホッグは、穴掘りに必要な強い爪と頑丈な筋肉質を持っており、プレーリードッグよりもサイズはかなり大きめです。
また、プレーリードッグは温帯地域の平地に多く分布し、群れで生活しますが、グラウンドホッグは冬眠で厳寒を凌ぎ、自分だけの巣穴を持つなどの特徴がありますね。
●グラウンドホッグとプレーリードッグの違い…Difference Between Prairie Dog and Groundhog | Difference Between
ちなみに、ウッドチャックとグラウンドホッグの違いもよく、ネット検索されているようですが、こちらは同じ動物とのこと。
ウッドチャックの別名にグラウンドホッグが含まれています。
●グラウンドホッグとウッドチャックの違い…Difference Between Groundhog and Woodchuck | Difference Between
さらに余談ですが、グラウンドホッグはガーデンや家屋にダメージを与えることが多く、敷地内に住まわれると非常に困る野生動物ともいえます。
かわいい顔と丸いフォームで愛嬌があるように見えますが、他の小動物を襲うことも多々。
グラウンドホッグが多い地域に住む、夫の友人宅では、グラウンドホッグによる被害が珍しくなく、敷地内には仕掛けの檻をいくつも設置しているようです。
仕掛けにかかったら、遠くの山に逃がすのですが、なかなか頭がよくかからないとか。
我が家も以前住んでいた敷地内では、グラウンドホッグがあちらこちらに穴を開けて、小屋が傾くなどの被害がありました。
家族総出で修理したものの、住宅ではないし、世の中の様々な被害に比べたら全く大したことはないと、考えを改めましたけれど(笑)。
2022年のグラウンドホッグ・デイはいつ/何をする?国民の祝日に制定?
グラウンドホッグ・デイは毎年2月2日となっており、グラウンドホッグを使って春がいつ来るのかを占う行事が開催されます。
最大の式典は、ペンシルヴェニア州西部にある『Punxsutawney(パンクサターニー)』での行事ですね。
●パンクサターニーのグラウンドホッグ・クラブ…Home | The Punxsutawney Groundhog Club
ペンシルヴェニア州の2月は、まだまだ寒さが厳しいものですが、2万5,000人以上もの人々が集まる人気の式典となっています。
この式典では、『Punxsutawney Phill』と名付けられたグラウンドホッグをメインに行われます。
2月2日に冬眠を終えて巣穴から出てくるPunxsutawney Phillが、陽の光でできた自身の影に驚き巣穴へと戻ると、その後も冬は6週間続くとされています。
また、曇っていて影がなければ巣穴から出てくるため、春は早くに訪れる、という占いが行われるのです。
とはいえ、あくまでも人気の伝統行事とのこと(Groundhog Day | visitPA)。
研究結果によれば、科学的にもグラウンドホッグが影を確認することと、春が訪れる時期の早さには関連性がないとされています(笑)。
さて、伝統行事が長らく行われている2月2日ですが、アメリカではお休みになる国民の祝日に制定されていません。
それでも、パンクサターニーでのイベントは盛況で、毎年2月2日の式典が行われる地域は、とても賑わっているそうです。
2月にペンシルヴェニア州へご旅行の際には、グラウンドホッグ・デイの式典への参加もいいですね。
ちなみにパンクサターニー以外にも、アメリカではアラスカなど他州ほか、カナダやセルビア、ドイツなどの国で、日にちは違うもののグラウンドホッグ・デイを祝うようですよ。
ペンシルヴェニア・ダッチによるグラウンドホッグ・デイの起源
17~18世紀、ヨーロッパ・ゲルマン語/ドイツ語地域からの移民(ペンシルヴェニア・ダッチ)は、2月2日を『Badger Day/Dachstag(アナグマの日)』とする伝統がありました。
●ペンシルヴェニア・ダッチについて…Pennsylvania Dutch – Wikipedia
●現在のNational Badger Dayについて…National Badger Day 6th October | Badger Trust
さらに昔のドイツにて、キリスト教の宗派によっては動物を使った天気を予想する『Candlemas(キャンドルマス)』の行事が行われていたそうです。
こういった伝統行事が、ペンシルヴェニア州に多く分布するドイツ系移民により、グラウンドホッグ・デイとして維持されている、と伝えられているようです。
グラウンドホッグ・デイには映画『Groundhog Day』を観よう!
アメリカではグラウンドホッグ・デイの2月2日に、映画『Groundhog Day』(邦題:『恋はデジャ・ブ』)が必ずTV放送されています。
1993年2月にアメリカで公開、ビル・マーレイ主演、アンディ・マクダウェルがヒロインのアメリカ映画です。
ビル・マーレイ演じるフィルが、出張先のペンシルヴェニア州パンクサターニーにて、目が覚める度に2月2日をループしていくストーリー。
Punxsutawney Phillと同じ名前のフィルは、ループする間に性格を改め、仕事仲間の女性を愛していくようになります。
この映画は、2月2日に限らずアメリカでは1年中何度もTV放送されていて、私もセリフを覚えるほど観ているのに、放送されていると観てしまう(笑)。
グラウンドホッグ・デイの伝統行事を有名にした映画とも言われていますが、撮影地はイリノイ州シカゴがほとんどだったそうです(笑)。
グラウンドホッグ・デイを知るのにも、おすすめの映画ですよ。
余談ですが、映画公開の2年後には、オプラ・ウィンフリーが番組でPunxsutawney Phillに会っています。
以下の動画で少しご覧頂けます。
Oprah Meets Legendary Groundhog Punxsutawney Phil – Video
すっかり有名になったPunxsutawney Phillは、ハンドラーに抱っこされて登場しています。
なかなかかわいいです…過去に小屋を壊してくれた憎きグラウンドホッグと同類だけれど(笑)。
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